歯周病に対する精密な検査
歯周病治療におけるCT診断の重要性
歯周病の治療をスムーズかつ正確におこなうためには、CTでの診断が非常に重要です。CTでは患者様の顎の骨の形はもちろん、骨の質や厚み、高さなどの状態まで詳しく計測できます。
正確なデータがあれば、治療をスムーズに進めることができるほか、CT上で手術のシミュレーションをおこなえるため、その結果によっては切開の必要がなくなる場合もあるのです。
治療の成功率を高め、患者様の負担を減らすためにも、CTは必要不可欠な機器と言えるでしょう。
CT診断のメリット
- 安全性が高い
歯周病治療の前に、治療箇所の詳細なデータが得られます。正確なデータがあれば、治療をより正確に進めることができるため、高い安全性が確保できます。
- 画像が高精度
従来のX線写真に比べ、非常に高精度な画像を撮影できます。あらゆる角度から疾患を見られるほか内部まで確認できるため、細かい部分の異変なども発見できます。
- 病巣を確認できる
治療対象の患部だけでなく、通常の診断では見つけられないような病巣まで発見できます。
歯周病知路湯とCT
歯周病は、細菌によって顎の骨が溶かされてしまう病気です。CTでは、骨が溶けている程度を詳しく見ることができるほか、現在の骨の状態から歯の寿命を予測することもできるため、今後の見通しを踏まえた治療が可能です。
CT解析により現在の顎の骨の状態をよく知ることができるため、定期検診などにおいてもセルフケアの指標にすることができます。
細菌検査 PSR法
歯周病の原因菌は、嫌気性(酸素がないところを好む)の細菌だと言われています。この嫌気性菌の検査を可能にしたのが、菌のDNAを増幅して調べるPCR法です。
歯周病菌の種類と治療
歯周病菌には下記の5種類のタイプがあります。- A.a菌 Actinobacillus actinomycetemcomitans
- P.g菌 Porphyromonas gingivalis
- P.i菌 Prevotella intermedia
- B.f菌 Bacteroides forsythus
- T.d菌 Treponema denticola
PCR法によって菌のタイプを特定できれば、EBM(科学的根拠)に基づく歯周病の診断や治療方針が決定でき、また高精度な治療後の予後判定も可能になります。歯周病治療の中でも、一人ひとりに適した予防プログラムを構築するために、PCR法は欠かせないものになっているのです。